AA研共同研究プロジェクト「総合人間学の構築」
 飛躍する科学技術は、地球という自然と、人のこころという自然を大きく変えようとしている。紛争、貧困、自然破壊、地球温暖化など直面する諸問題は深刻である。さらにまた、グローバル金融経済によって欲望のままにあらゆるコモディティーが提供される社会は、人のこころを脆弱で荒んだものとする危険も懸念されよう。
 人間にはどのような社会、どのような生き方がふさわしいのか。総合人間学は、この古くから問われてきた問いを問う。答えとしての一つの世界観を求めるのではない。むしろこの問いを問うために必要な、人の生にとって重要な情報をいかにして集めるか、また矛盾する情報(「信仰」と「開放知」との矛盾など)をいかにして折り合わせるか、などの方法的考察を行う。それは、脳神経科学、動物行動学から経済学、人類学、古典学にいたる現代の知の総合的対話の場を創出することによって可能であり、新しい知の枠組みの構築の基盤固めとなるであろう。

主査 中谷英明  副査 峰岸真琴

共同研究員

【所内】
  芝野 耕司
  床呂 郁哉
  真島 一郎
  宮崎 恒二

【所外】
  池本 幸生
  石堂 常世
  市川 裕
  井原 康夫
  WITZEL, Michael
  内堀 基光
  大津 透
  小川 正廣
  柿木 隆介
  笠井 清登
  桂 紹隆
  亀山 郁夫
  河井 徳治
  黒田 彰
  後藤 敏文
  新宮 一成
  杉下 守弘
  杉本 良男
  中島 隆博
  中田 力
  長野 泰彦
  納富 信留
  日高 敏隆
  藤井 正人
  寳珠山 稔
  松井 健
  松尾 剛次
  丸山 徹
  水野 善文
○

◆写真説明

第4回総合人間学国際シンポジウム「開放知としての科学と宗教」(平成19年12月10日・11日 日本財団)のパネルディスカッション 左から中谷、内山、Changeux, 日高、御子柴、中島 写真提供『日経サイエンス』